31.Rf3
Nd3 を受ける、とても面白い一手だ。ここでラジャボフの方針が明らかになった。
ポーンではなく、ナイトを捕まえに行ったんだ!
31...Ne6
[笑みを浮かべながら31...Qxb3と指せば、テイムールは間違いなく不安になるだろうけど・・・長くは続かない。
32.dxe5! (32.h4 Qe6! )
32...Nd3 33.Ng5 Ndxe5 34.Qh5 h6 35.Nf7+ Kh7 36.Rf6!
これで、今度はテイムールが笑う番だ。
変化の最初にもどると、 31...Rf8!? が多分、一番堅い選択だ。しかしここでも黒のナイトは何となく危なっかしい。]
32.Nf5! exd4 33.Qg3!
僕は、テイムールが簡単に見つけたこの素晴らしいアイディアに非常に感銘を受けた。
僕は、彼が毎日、白黒両方のオープニングで、ドローを探すという準備をするのと同時に、
ブリッツの練習をしているのではないかとさえ思った。しかし、ただ単に運がない時期は、どれだけ出来てもだめなのかとも思う。
(次の試合がまさにそうだった)!
【訳注:ラジャボフは試合中のチェス・クロック不具合という事件にみまわれ、それが間接的な原因で次のブリッツに敗れる。
Anishが言及しているのはその試合である。33.Qg3! のすごさは、単に Ne5 のフォークを受けたというだけでなく、
黒のポーン取りを無視して、 33...d3 34.Nfd6 から Nf7+ を読んでいる点にある。
上級者にはひと目なので、Anishの解説が省かれている。】
33...Rf8 34.Ned6 dxc3 35.bxc3 Rd7 36.h4!
h5 という狙いに対して、黒はどうしようもない。
36...Rf6!? 37.h5?
[最初に37.Ne4!として、それからh5でも本譜と同じようなフィニッシュになっただろう。
でも両者は比較的単純な逆襲を見落としていた。しかし、僕が言わなきゃならないのは、
ここでプレイヤーが最も気にしているポイントは、時計の最後の数秒にあるということだ]
37...Ne7??
チャンスが吹き飛び、ここで黒は驚くことに完全に負けになっている。
[37...Ngf4! 38.Rxf4 Nxf4が全くシンプルに見える。駒を精算するとき、
最後白はf4をルークでとり、黒はその後単にd6をとれば良い。
39.Rxf4(39.Qxf4? Rdxd6! 黒勝ち) Rdxd6 35.Nxd6 Rxd6・・・]
38.Nh6
38...gxh6 39.Qe5!
これが全体のポイント! テイムールによる素晴らしい読みだ。(解説アニッシュ,ギリ)
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