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ニュース2010年9月

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男子三連敗、日本女子快勝!

ナイジェリアは強いチーム

10/01 12:46

女子は3.5−1.5の快勝。引き分けた前田さんも内容的には勝ちだったようです。

一方の男子は3連敗。スタート順位こそ下でしたが、ナイジェリアは強いチームでした。

一番先に終わったのは塩見さん。黒番タラッシュでプレッシャーをかけ続けられ、 センターからの攻めを防ぎきれず。

1番ボード小島も今大会は調子がよくありません。 1手目からプレパレーションを外されるものの、相手が定跡を知らなかったために 一瞬で優勢に。しかし、そこから時間を使うも決め損ね、 逆に時間切迫で指した手に対して強烈なカウンターが入って敗勢に。 時間がたっぷりあった相手のブランダー返しがなければ、負けのゲームでした。

南條は1.d4 e6 2.e4からフレンチエクスチェンジ。指しなれないラインを選択されたためか、 序盤で少々ふらつきますが、相手のぬるい手に助けられて十分なポジションで中盤へ。 エンドゲームは少々良かったとは思いますが、非常に複雑なポジションです。 結局南條も相手もミスらしいミスはなくドロー。隣で見ていましたが、ナイジェリアチームの中では 1、2を争うエンドゲームテクニックでした。

すばらしいディフェンス

そして僕、山田は白番だったこともあり当然勝ちに行きました。 プレパレーションの段階では相手のレパートリーはわかりませんでしたが、 非常に攻撃的で、読みを武器に戦うプレイヤーであること、 中盤の力は相当あるが、終盤に関してはあまりテクニックがないこと、などがわかっていました。

定跡はシシリアンナイドルフ。ルクセンブルグ戦でのプレパレーションそのままに進めます。 相手の16...Nh5?!という謎手が入り、少し良くなりました。 20.Rxe4(図5)のところでは、このゲームはすぐに勝ちで終わるのではないかと思っていました。 ところが、ここからの相手の指しまわしは盤を挟んで対峙している僕を驚かせるには十分でした。

board 図5 白20.Rxe4まで

20...Rac8
21.c3 Rfd8!


まず21...Rfd8!

20分ほどの長考でいやな手を指されました。狙いはRd5からe5ポーンを落とす手です。 さらに22.Rh4に対して、再度大長考。この局面で僕は黒のディフェンスに気が付いていました。 相手に悟られないように余裕の表情で席を立ちました。 もちろんその手がそう簡単に指せるはずがないことも知っていたのですが…。

22.Rh4 22...h6!!

board 図6 白22.…h6まで

ベストディフェンスです。 22...b4 23.c4 Qc5!も魅力的にうつりますが、 これに対しては23.Rh3!を用意しており優勢だと思っていました。

23.Qxh6には23...Qxe5なので、

23.Qe3 Rd5

と進めます。ここが白にとっての(ほとんど最後の!)ウイニングチャンスでした。 試合中はd1のルークを残すほうがキングの安全性もありベターだと思っていましたが、 Rybkaの示した手は24.Nf3!、これで白が優勢とのこと。 24...Rxd1 25.Kxd1 Qa5には26.Kc2!でh6を受けるうまい手がありません。

しかし僕は、

24.Rd1!?

の局面でもh6を受けるうまい手がないのでは、と思っていました。

board 図7 白24.Rd1まで

一番衝撃を受けたゲーム

ところが相手の考慮中にすばらしいディフェンスに気がつきました。

Rybka(コンピューターの最強ソフト) もしばらく白優勢と評価していましたが、この手を入力して以降はほとんどイコールと 評価を変えてしまいます。 それにしてもまさかこのディフェンスを指されるとは…。

24...Qd8! 25.Nf3 Kg7!

25...Rd3には26.Qxh6!+/-です。一見26...Rxc3?! 27.bxc3 Rxc3 28.Kb2 Qd3で負けそうですが、 29.Nd4!で受け切りです。よってh6を受けて25...Kg7

26.Kc2! Rc7!!

board 図8 白26.…Rc7まで

ここでRd3を防いだKc2に対してまさかのRc7です。

白から g4 が見えているので、このような手は指しにくい。

この時点で相手は残り10分。こちらは5分。

27.g4 Rcd7 28.gxh5?

時間切迫により指してしまいましたが、はっきり悪手です。 ただ、正解は見えていたのですが実戦では指しきれませんでした。 (Rd3〜Rxf3を防いで28.Rh3!なら白やや良しだと思います)

ここから劣勢のルークエンディングになりましたが、相手のエンディングが下手なのが幸いしました。 (もちろんそれも視野に入れての28.gxh5です)

しかし自分がドローだとチームが負けなので途中はパスポーンに賭けて オファーを蹴ってみたりもしましたが、もちろん勝てるわけはなくドローになっていまいました。

今オリンピアード中、一番衝撃を受けたゲームでした。 レーティング無しとは言え、こちらが想定していた以上に強いプレイヤーでした。 もちろん勝たなければならなかったことに変わりありませんが…。

そろそろ勝たないと

あすはボツワナ。前回大会も10Rはボツワナでした。 小島のライバル(?)は僕にヒットしそうです。黒ですが、そろそろ勝たないと…。 もはや上の順位は望めませんが、せめて残り2戦でいい結果を残して日本に帰りたいものです。

9ラウンドの結果

Bo.55 Seed101 Japan (JPN) - Seed139 Nigeria (NGR) [1.5 : 2.5]
55.1 FM Kojima Shinya 2334 - Olape Olubunmi 2256 1/2-1/2
55.2 CM Nanjo Ryosuke 2257 - Ajibola Olanrewaju 0 1/2-1/2
55.3 Yamada Kohei 2071 - Ajibowo Olamide 0 1/2-1/2
55.4 Shiomi Ryo 2105 - Campbell Charles 0 0-1

Bo.54 Seed96 Trinidad Tobago (TRI) - Sees98 Japan (JPN) [0.5 : 3.5]
54.1 Soondarsingh Aditi 1829 - WCM Nakagawa Emiko 1806 0-1
54.2 Rattan-Chung Joanne 0 - Maeda Haruno 0 1/2-1/2
54.3 Pereira Melissa 0 - Wakabayashi Hisako 1493 0-1
54.4 Johnson Gabriella 0 - Kikuchi Arisa 0 0-1


シベリアン・トラップ!?

今日の事件。

ナイジェリア戦に出かける1時間ほど前。昼食を終えて帰ってくると、 プレパレーションのために先に戻っていたはずの小島がいません。 バスルームから声がするので何事かと思っていると、

小島「ドアがあかない…」

なんと小島がバスルームに閉じ込められてしまいました。 最初は鍵がどこかに引っかかっているだけですぐに空くだろうと思っていましたが、 いろいろ試してもびくともしません。

試合開始1時間半前で、1番ボードがトイレに幽閉されていては話にならないので、 レセプションの人に事情を説明し、なんとかしてくれと言うと、 20分くらいたってから大工道具を持ったおじさんがやってきてドアのカギを破壊してしまいました。 どうもこのホテルはいろんなところが突貫工事になっているみたいで少し怖いです。

見物している私は、学期末、プラス今日からの札幌オータムチェス大会参加で忙しい。
それでも何とかレポートは続けます。最後は決めてくれ、日本チーム。
まだまだ期待しています!


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8ラウンドの進行

9/29 19:00

まだ試合が続いています。女子は中川さんが勝ちましたが、1−3負け。 前田さん、菊池さんは非常にいい内容でしたが、時間がなく逆転負けでした。

男子は南條があっさりドロー。日本で見ていた方は白でのドローなので、 どうしたのかと思うかも知れませんが、疲れのせいか体調不良とのこと。 (本当はレペティションでドローだったのですが、間違えて時計を押してしまったとのこと) 試合後に医務室へ行ったそうです。

部屋の中がかなり乾燥しており、喉をやられてせき込む人が多く、 日本チームに限らず、体調を崩している人をちらほら見かけます。 長丁場の大会なので体調管理は最重要課題でもありますが、どうしても疲れがたまるのは避けられません。

3番ボードは龍二さんが黒で負け。黒が多いこともあって苦しんでいます。 4番ボード塩見さんは勝勢。ここからは一本道なのでもう間違えないでしょう。 小島は苦しいですが、ここでドローを取れればチームは引き分けなので頑張ってほしいところです。

その後、塩見さんは勝ち、小島さんはぎりぎりで負け。 塩見さんは、ナイト・サクリファイスも含めて見事な差し回しでした。 女子は中川さんが勝ちのみ、1−3でプエルトリコにやぶれました。とても残念でした。

それにしても、メンバーとして最低の義務を果たすまでがんばった南條さん、 大丈夫だったのでしょうか。少し心配です。


8ラウンドの結果

[ 8 Round]

Bo.49 Seed96 Barbados (BAR) - Seed101 Japan (JPN) [2.5:1.5]
49.1 IM Denny Kevin 2316 - FM Kojima Shinya 2334 1-0
49.2 IM Farley Terry 2231 - CM Nanjo Ryosuke 2257 1/2-1/2
49.3 FM Warner Delisle 2240 - Nakamura Ryuji 2187 1-0
49.4 Del Castilho Martyn 2218 - Shiomi Ryo 2105 0-1

Bo.49 Seed98 Japan (JPN) - 80 Seed Puerto Rico (PUR) [1 : 3]
49.1 WCM Nakagawa Emiko 1806 - Pacheco Medina Hilzandryly 1875 1-0
49.2 Maeda Haruno 0 - Sanchez Rodriguez Wilmairi 1812 0-1
49.3 Wakabayashi Hisako 1493 - WFM Vazquez Maccarini Danitza 1818 0-1
49.4 Kikuchi Arisa 0 - Comas Colon Rinelly 1696 0-1


写真:女子チーム

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試合の検討
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対アルジェリア戦
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対ホンジュラス戦
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日本女子チーム


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インタビューが公式サイトに!

バースデーケーキ

9/28 9:24

6Rのゲームが終わった後は、プレイングホールの外で 南條にバースデーケーキが手渡されました。 南條は残念ながら誕生日に勝ちとはいきませんでしたが、 その分チームの勝ちをプレゼントできて良かったです。

帰った後は、部屋でささやかなパーティーとなりました。 南條の22歳の抱負は、龍二さん、前田さん、菊池さんにより、
1.結婚
2.GMになる
3.子供を3人作る
に決まりました(?)。1、2はともかく3は無理があるんじゃ…。

公式ページには南條の記事が載るようです。 なぜか小島と龍二さんのインタビューらしいですが…。

誕生日おめでとう

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【公式サイト掲載の写真】
 インタビューを一部ご紹介。
 「彼と出会ったのは10年前、学校のチェスクラブです。そのときから他人とちがっていました。 どしゃぶりの雨に降られたとき、みんなは普通にしていたのに、彼はマトリックスの主人公を演じて、 『見よ、この雨つぶがよけられるようになったぞ!』などと叫び始めたのです。そんな行動を、最初は 奇妙だと思っていましたが、そのうち慣れっこになりました。天才というものはときとして 変な行動をするものですし、それに彼は本当に天才なんです。まるでアインシュタインですよ。」…
 小島君が、南條君について語っている、というインタビューです。 ジョンとポールの出会いが音楽界に進歩をもたらしたように、二人の出会いは日本チェス界に 大きな進歩をもたらしました。それをオリンピアードの公式サイトが取り上げたことは痛快です。
 南條君と小島君が山田弘平と同世代なのは本当に良かった。南條君、22歳の誕生日おめでとう!


S.Kuwataさんのご指摘(in Behind The Scene)で訳を一部修正しました。

7ラウンド結果

[ 7 Round]

Bo.43 Seed90 Luxembourg (LUX) - Seed101 Japan (JPN) [3.5 : 0.5]
43.1 IM Wiedenkeller Michael 2431 - FM Kojima Shinya 2334 1-0
43.2 Linster Philippe 2264 - Yamada Kohei 2071 1/2-1/2
43.3 FM Mossong Hubert 2184 - Nakamura Ryuji 2187 1-0
43.4 WIM Steil-Antoni Fiona 2152 - Shiomi Ryo 2105 1-0

Bo.47 Seed98 Japan (JPN) - Seed81 United Arab Emirates (UAE) [1 : 3]
47.1 WCM Nakagawa Emiko 1806 - WIM Saleh Nora Mohd 1906 0-1
47.2 Maeda Haruno 0 - WFM Al-Zarouni Kholoud Essa 1890 0-1
47.3 Wakabayashi Hisako 1493 - WFM Al-Hammadi Fatma 1829 1-0
47.4 Kikuchi Arisa 0 - WFM Al Ali Amna Nuaman 1752 0-1


速報

男子チームはルクセンブルグと対戦。少し順位上の相手にやられました。
塩見さんはよく粘りましたが及ばず。泥沼化したチェスを乗り切った弘平のみドロー。
女子チームはUAEと対戦。若林さんが序盤から相手のミスをとがめるうまい攻撃で1勝!
しかし、その後がつづかず、善戦するも負けがついてしまいました。

以下、現地レポートです。

非常に残念な結果

9/29 1:05

今日は非常に残念な結果に終わりました。

相手はルクセンブルグ。リストは少し上の相手でしたが、非常にプレパレーションしやすい相手で レーティング差もそこまではありません。 日本チームとしては下2本を取って上二人がどうポイントを取るか、という戦いをしたかったのですが…。

龍二さんがタイムプレッシャーによるミスを犯し、最後はクイーンがただで取られて一敗。 オリンピアードでのクイーンただ取りが何回あるのか知りませんが、 流石に2日連続で取られたチームはわれわれが最初でしょう。

この2つのブランダーは、すでに悪くなった状況で指されていて、至るべき結果 を早めただけであると思う。なので、それほどショックではないが、不思議な符合ではある。

相手は本当に強かった

小島も中盤で実力差を見せつけられた格好で負け。 プレパレーションの段階でわかっていましたが、相手は本当に強かったです。 良くなってからも油断することのない横綱相撲が印象的でした。

僕は序盤の数手から心理戦に入り、互いのプレパレーションを外しあって謎の3ポーンピースに。

こちらが良いかと思っていましたが、相手のa5〜Ba6がうまく、最終的にルークダウン。 しかし実戦的には意外と大変な勝負で、25手目あたりから始まったブリッツ・チェスで 局面を互角に戻しました。40手目以降は、やや優勢な局面で勝ちを探すも、ドロー。 少し相手日和気味でしたが、なんとかポイントを取りました。

塩見さんはプレパレーションがはまって優勢な、しかし難解なエンドゲームに突入。 ところが、ドロー気味の局面から無理して勝ちに行ったのがあだとなり、 最後は相手にうまく切り返されて負け。2100台とは思えないエンディングの力でした。

ヨーロッパの歴史の長さ

あるチェス・ファンの方から、次のコメントをemailでいただきました。

『歴史のあるヨーロッパの国はどんな国でも強いということです。 ルクセンブルクという小国で日本よりレートが高いと 言っても、互角の戦いが出来るのではと、日本にいる皆さん は思っていたかもしれませんが、その底力を存分に みせつけられました。』

『日本が弱いのではなく、ヨーロッパの歴史の長さに まだまだ日本は及ばないと思うべきなんでしょうね。』これ、同感です。 特にエンディングがちがう。なのに、そんなレート??

『後半戦に入り選手の皆さんも疲れが出てきている 頃でしょうが、夢の舞台での試合を大いに楽しんで もらいたいですね』!


せめて一回は

明日はアベルゲルがコーチを務めるバルバドスが相手です。 せめて一回は上のチームに勝ちたいですね。

男子(101シード)は96シードのバルバドスが相手。IM2人、FM2人。 強い相手なのはわかっているが、勝ちに行く気持ちで渡り合ってほしい。 上位の争いは、ウクライナ、ロシア1、ハンガリー、アゼルバイジャンがトップです。

女子(98シード)は、80シードのプエルトリコと対戦。 上位では、トップがロシア1。それをグルジアとインドが追う展開です。 とうとうロシアがプライドを捨て、全力で世界1を取り返しに来ました。

さあ、日本チームがどこまでやれるのか。がんばれ日本!




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レストデイ

少女3人の案内

9/28 21:10

レストデイはハンティーマンシスク市内の観光。

といっても見るところはあまりなかったので、市内の公園に行きました。 紅葉が非常にきれいで、戦争の碑や噴水のところでみんなで写真を撮りました。 公園に戦車があったので日本チームが写真を撮っていると、 近くで遊んでいた女の子3人が盛んに話しかけてきます。 塩見さんに通訳をお願いすると、街を案内してくれるということ。

さすが、ロシア語できる塩見さんのおかげ。しかし、マクベスの話みたいです。

日本でやると間違いなく問題になる気がしますが、彼女たちの案内で近くのデパートに。 各々お土産やらアイスやら買った後、少女3人の案内で街を歩きます。

3人と別れた後は、ハンティーマンシスクの象徴マンモスの銅像を見に行きました。 特筆するような面白いこともなかったので、写真でレポートにかえようと思います。

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レストデイ1:みんなで
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レストデイ2:マンモス像の前で
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レストデイ3:ジャパン
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レストデイ4:ガイドと


6ラウンド

[ 6 Round]

Bo.51 Seed101 Japan (JPN) - Seed113 Nepal (NEP) [3 : 1]
51.1 FM Kojima Shinya 2334 - Nepali Badrilal 2135 1 - 0
51.2 CM Nanjo Ryosuke 2257 - Shrestha Bilam Lal 2096 0 - 1
51.3 Yamada Kohei 2071 - Malakar Prachand Man 1959 1 - 0
51.4 Shiomi Ryo 2105 - Thapa Uttam Raj 2029 1 - 0

Bo.42 Seed57 Denmark (DEN) - Seed98 Japan (JPN) [4 : 0]
42.1 WIM Vovk Oksana 2157 - WCM Nakagawa Emiko 1806 1 - 0
42.2 Jorgensen Carina Eilegaard 2025 - Maeda Haruno 0 1 - 0
42.3 WFM Frank-Nielsen Marie 2036 - Wakabayashi Hisako 1493 1 - 0
42.4 Treppendahl Trine 2009 - Kikuchi Arisa 0 1 - 0


大苦戦の6ラウンド

さて、休息あけの6Rは本当に苦戦しました。
僕は1R以来の白番を持ち時間切迫に陥りましたが、なぜか相手のほうが間違えて負け。

しかし、塩見さんがエクスチェンジダウンで微妙な局面。

今日誕生日の南條は4年前の相手にリベンジというところでしたが、 互角の局面でなんとクイーンをただでとられて負け!!

小島も無理して勝ちに行ったのか勘違いがあったのか、優勢の局面からどんどん難解になっていきます。

マッチの負けを覚悟

マッチの負けを覚悟しましたが、塩見さんがいつの間にか2ピースルークになり、勝ち局面。

この段階ではどんな結果もありで、最悪の結果さえ浮かぶ戦況でした。 格下相手でも勝つことは本当にしんどい。向こうも同じように必死です。 2ピースルークとは、N+NかN+Bなどの小駒2個とルークの 対抗ということで、普通は小駒2個の方が有利。

小島のほうは、女子を見に行って戻ってくるたびに形勢が良くなり、最後はなぜか2ポーンアップで勝ち。

なんとかネパールに3−1勝ちでした。日本のオープン・チームは、 これで全員に勝ちがつきました。

弘平が同点打をはなち、小島さんがねばって打点を取り、塩見さんが逆転 ホームランという感じに見えました。。点差以上の接戦でした。日本チームの がんばりと、合わせてネパールの健闘をたたえたいと思います。

女子は格上デンマーク相手にあっさり3本取られましたが、前田さんが一人頑張って 難しいながらもほとんど互角の局面を指し続けましたが、時間が足りなくなって負け。 流石に女子チームとは言え、デンマークは強かったです。

前田さんは本当によくがんばりました。内容は自慢できるゲームです。

明日は男子がルクセンブルグ、女子はUAEとです。 大会も後半に入りなかなか熱い組み合わせが続きます。

上はハンガリーが負け。Ivanchukが5戦全勝という驚異のパフォーマンス。 アメリカはHikaruが勝ってベトナムに勝ち。グルジアも頑張っています。 明日は3番ボードで注目のロシア1−ロシア2です。

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5ラウンド

女子連勝、菊池さん初勝利!

[ 5 Round]

Bo.53 Seed70 IPCA (IPCA) vs Seed101 Japan (JPN) 3.5:0.5
53.1 GM Luther Thomas 2545 - FM Kojima Shinya 2334 1 - 0
53.2 IM Obodchuk Andrei 2395 - CM Nanjo Ryosuke 2257 1/2-1/2
53.3 IM Mikheev Stanislav 2337 - Yamada Kohei 2071 1 - 0
53.4 Vodyasov Evgeny 2217 - Nakamura Ryuji 2187 1 - 0

Bo.52 Seed106 Pakistan (PAK) vs Seed98 Japan (JPN) 1.5:2.5
52.1 Nida Mishraz Siddiqui 1796 - WCM Nakagawa Emiko 1806 1/2-1/2 - 1/2-1/2
52.2 Wasif Zenobia 0 - Maeda Haruno 0 1 - 0
52.3 Shakir Ayman 0 - Wakabayashi Hisako 1493 0 - 1
52.4 Shakir Sannam 0 - Kikuchi Arisa 0 0 - 1

女子はうれしい連勝です。勝てる相手とはいえ、チーム・ワークがよく機能し、
菊池さんの初勝利で勝ったことで、いい感じで前半戦が終わったといえます。
女子は現在88位

南條さんがIMからドローを奪う

男子は弘平と中村さんが比較的あっさりと土俵を割りました。(辛口過ぎます?)
その中で小島さん、南條さんの両チャンピオンは頼りになる戦いぶりで、終盤に突入。
南條さんは押し気味にゲームをすすめ、IM相手にドローを確定しました。
小島さんもほとんど互角に見えましたが、…。あれを勝ちにするのはさすがGMです。

男子は現在107位。

レスト・デイはゆっくり休養を取り、雰囲気を盛り上げて後半戦に向かってほしいです。
6ラウンド、男子はネパール(113シード)、女子はデンマーク(57シード)と。

 by kamiyakumo

GMは強い

9/26 17:04

5R、男子はIPCAに完敗でした。

上二人が頑張っていただけに、3、4番ボードが勘違いで、 一瞬で負けてしまったのが申し訳なかったです。 ちょっと落ち込む負け方でしたが、レストデイを挟んで下が相手なので、 6Rはチームの勝ちを取りに行きます。

このラウンド印象的だったのは、Lutherの強さでしょう。 小島のプレパレーション内でSchandorffの レコメンデーション17...Bd6を試すことに。 対してLutherはあまり考えることなく、18.Nd2!? 意図して外したのか、準備だったのかはわかりませんが、 小島も意表を突かれたようで長考。

board 図3 白18.Nd2まで

中盤をうまく乗り切って、うまく指せばドローはあるかと思いましたが、 その後のエンディングで Lutherの素晴らしい指しまわしがひかり、 最後はキングサイドをブレイクされて負け。 GMはこんなにチェスが強いのかと、改めて思い知らされました。

board 図4 白43.Ne6まで

このドローっぽい局面から小島さんに対して65手で白が勝ち切りました。信じられない!

女子は若林さんが勝ち、中川さんはドロー。

最後に菊池さんが優勢に運んでいた試合をきれいなメイトで決めて2.5−1.5で勝ち。 連勝で6Rはデンマークと対戦。上が相手ですが頑張ってほしいです。

5Rの後、夜10時からダンスパーティ。

男子全員で行きました(前田さんも行きたかったようですが、18歳未満は出られませんでした)。 ナイトクラブでのパーティでしたが、珍しく部屋から出てきた小島はうるさいところがダメらしく、 ソフトドリンク一杯でリザインしホテルに帰ってしまいました。

しかし、会場に行ったという事実は、衝撃的で、えらいなと思ってしまいました。

残った男子はアーニャとひたすら踊っていました。 チェスよりもこちらのほうがスポーツです。 疲れました。南條も他の女の子と仲良くなり(…以下略)

最初からいて確認できたのはオランダチームとモンゴルチーム、 午前2時頃にはアルメニア、インドなども。Samも1時頃に来ていました。

日本男子はアーニャの仕事仲間と話したり踊ったりしていましたが、 なぜかドミニカの選手がアーニャにしつこいくらいのアプローチ。 われわれは彼にEMという称号を授けました。何の略かは…お察しください。

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オリンピアード番外編

 菊池有紗ちゃんのお母さんからレポートを送っていただきました。
 有紗ちゃん母娘はアメリカからの合流だったので現地まで3日かかったそうです!
 友人に「シベリアってどんなとこ?」と聞かれてのメールを提供していただきました。


シベリアってどんなとこ?

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【バスの窓からの景色1】
 シベリア、といってもなかなか実感がありません。 これはアメリカ国内の遠征と同じかな、と思うのですが・・・

 チャーターでモスクワからハンティ・マンシースクに入り、 バスで宿舎のホテルへ直行でしたし、トーナメント会場へもバスで10分足らずを往復、 町のはずれを走るだけであまり周りの景色を見渡す機会がないのです。

 強いていえば、ホテルの窓からは(10階)、 地平線のほうまで見渡せるかというほど広々とした果てしない空き地、 または荒野というのでしょうか、そんな風景が見られます。

 ホテルからの行き帰りに見えるのは、やはり果てしない荒野(野原?)、 そして背の高い常緑樹の緑と、背の低い木々の黄色が並んだ風景で、 コントラストがとてもきれいです。 紅葉は日一日と深まっているようです。

 あさっての日曜になればやっとフリーデイなので、街中が見られるのではと期待しています。 実感がないのはホテルも同じで、ほんの何人かの働くロシア人以外、 顔を合わせるのは世界中から集まった選手たちばかりなので、アメリカとなんら変わった気がしません。 ホテルは3食ビュッフェで、これがロシア料理か!と思わせるものもなく、 万人の口に合うような料理ばかりです。しかし、食事がおいしいということはラッキーですね。

 アメリカと同様、お釜を持参してしまいましたがそれほど必要なかったかも・・・

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【バスの窓からの景色2】
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【開会式】
 ああ、もっとシベリアに来た気になりたい、と思っていますが贅沢でしょうか。 (そうそう、言葉ばかりは英語がまったく通じません。) ただ、世界144カ国からのチームがひとところに集まっているのを見ると、 本当に不思議な気がします。

 皆さん、よくも地球の隅々からこんな辺鄙なところまで旅をしてきたものです。 (私たちも、モスクワシェレメティボチャで、チャーターの出る空港に移動する バスの時間まで10時間過ごし、足掛け3日で着きました。)

 恥ずかしながら、聞いたことのない国名も沢山あって、 あらためて世界のチェス人口の多さに驚かされました。 チェスって、世界の共通語ですね。

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【ホテルのディナー】
 食事はある日のディナーの写真があったので添付しました。

 でも、ビュッフェなので他の人のお皿を見ると面白いんです。 国にもよるんでしょうけれど、トマトばかり山盛り、とか豆と肉だけ、 とか色々で、これで同じ料理が出されていたんだろうかと思います。

 今日は霧が深く景色がまったく見えません。 たった今、今日の試合のミーシャとのプリパレーションが終わったようです。

 それでは、日本チームの勝利を祈って。
文と(一番上以外の)写真: by 菊池 恵美(New York在住)


4ラウンド速報

女子初勝利、男子も粘り勝ち!

臨時ニュース。

このラウンド、女子は初勝利で意気が上がりました!

男子も日本が格上の相手にまったく互角の大健闘。
最後に一人残った山田弘平が不利かと思われる局面を粘り、ドローに逃げることもなく、 貴重な勝利をもぎ取りました。
よくやった!!

以下、何が起こったのか、以下現地レポートです。

[ 3 Round]

Bo.59 Seed117 Zambia (ZAM) - Seed100 Japan (JPN) [1.5-2.5]
59.1 Chumfwa Stanley 2315 - FM Kojima Shinya 2334 [1/2-1/2]
59.2 FM Jere Daniel 2267 - CM Nanjo Ryosuke 2257 [0-1]
59.3 Chumfwa Kelvin 2224 - Yamada Kohei 2071 [0-1]
59.4 Kayonde Andrew 0 - Shiomi Ryo 2105 [1-0]

Bo.54 Seed97 Japan (JPN) - Seed101 Honduras (HON) [3-1]
54.1 WCM Nakagawa Emiko 1806 - WCM Duron Godoy Sari Esther 1905 [1-0]
54.2 Maeda Haruno 0 - Ortiz Katherine Berenice 0 [1/2-1/2]
54.3 Wakabayashi Hisako 1493 - Fernandez Alachan Mirna Graciela 0 [1/2-1/2]
54.4 Kikuchi Arisa 0 [1-0]

女子はホンジュラスに初勝利

9/25 1:20
4Rは日本の日でした。

まず、女子は2番3番ボードを苦労しながらも、ドロー。

中川さんはレーティング100上の相手を完膚なきまでにたたきつぶして、 ホンジュラスに3−1勝ち。

男子はザンビアが相手

男子の相手はザンビア。比較的レーティングは近い相手ですが、 棋譜を調べてかなり強いことはわかっていました。 小島はプレパレーション通りで、一瞬でエンディングへ。 南條、塩見さんも序盤は成功形。山田もうまく指したわけではないですが、 十分なポジションで中盤を迎えました。

奇跡の伏線

僕は周りを見渡しながら、ドローを視野に入れつつ進めていたのですが、 隣の塩見さんが突然劣勢に。 小島も難しいエンディングを勝ちにいきましたが、おそらくドロー。 いきなりピンチです。結局そのまま1.5P取られました。 ですが、これが奇跡の伏線でした。

もちろん僕は昨日塩見さんに助けられていますから、負けるわけにいきません。 怪しい手を連発しつつ相手の時間を削っていき、なんとか勝ちに行ける局面で 40手目を迎えました。

南條も難しい中盤を正確にコントロールしながら40手突入。

board 図1 白42.Ba6まで

勝ちのはずのマッチが怪しくなりつつあるので焦ったのでしょう。 南條の 42.Ba6 の局面を隣で見て、ドローだと思ったのですが、相手の指し手は 42...Kf4?? なんと 43.Kb3! でナイトトラップです。もちろん、42...Ke4 ならナイトが助かっていますからドロー だったでしょう。

最後の勝負手

あとは3番ボードだけ。

チームポイントがかかっているので、時間切迫のなか両者が勝ちを狙いに行きます。 相手の持ち時間はすでになく、インクリメントのみで指している状態。 ところがそこから相手が勝負に出ます。54.h5!?からキングを黒陣にもっていき、 f6ポーンを落とすつもりだったのでしょう。 僕は少し考えてから、相手の持ち時間を見て最後の勝負手を指しました。

59...Nb4-d5!

board 図2 黒59.…Nd5まで

ここで相手が1分半の持ち時間をすべて使い切り、60.Bxd5を着手する前に時間が切れました。 なんと0.5-1.5からの大逆転でザンビアに勝利です。

ナイト復活!
今の今まで、ずっと白がいい局面が、すでに泥沼状態に落ちた。
この一戦にチームの命運がかかった相手の心理は推察するにあまりある。
一歩ちがえば、逆に弘平の方がそんなパニックになっただろう。by kamiyakumo

明日男子はIPCA。GM Thomas Luther率いる強豪チームですが、少しでもポイントをかき集めたいと思います。

大逆転を起こさせてくれたのはチーム・メンバーと応援してくれている方々です!

次のラウンド、男子(101シード)はIPCA(国際障がい者チェス協会、70シード)の強豪相手。
ですが、この調子で奇跡を連発してほしいと思います。
一方、女子(98シード)は、106シードのパキスタンが相手。勝負所でしょう。
がんばれ日本チーム!

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 日本、うれしい初勝利の記事は少し下です。

3ラウンド

男子はマラウィーと、女子はウガンダと

9/23 00:47
ペアリング発表です。

Malawi(138) - Japan(100)
Japan w (97) - Uganda w (113)

どちらも下が相手ですが、一人ずつ面倒なプレイヤーがいるうえ、 相手の実力も未知数です。油断は禁物。 いずれにせよここは4−0を狙いに行きます。

どちらもアフリカの国。 決してアフリカを馬鹿にしてはいけない。 実はFIDEはアフリカのチェス普及に、かなり期待し、力を入れている。 この大会への出場が、経済的にいって日本より数段難しいはずなのに、 それでも参加しているプレイヤーたちだ。

スーパー・プレイヤー

8:00
他のチームについても少し書いておきましょう。 昨日は僕が休みだったので、試合前から会場をいろいろ回っていました。

まず、目当ては何と言っても上から20のボードに座る、 スーパープレイヤーたちです。

一番初めに見たのはフランス1番ボードMaxime Vachier-Lagrave。 SloveniaのBeliavskyが相手です (結局FRA-SLOは全ドローで引き分けでした)。

上位ボードは開始ぎりぎりまで選手が姿を見せないのですが、 そんな中で比較的早かったのがEngland。Adams、Mcshane、Howellが談笑しているところを見かけました。 前回大会ではHowellが無理して勝ちにいってアゼルバイジャンに負け、 Shortの怒りをかったようですが、この日はAdamsがSokolovに負けてボスニアに敗戦。

ベトナムがアゼルバイジャンに勝利

1R日本の隣だったベトナムはアゼルバイジャンが相手でしたが、非常にリラックスした雰囲気。 試合はNguyen Anh Dungが素晴らしい指しまわしでMamedovをくだし、アゼルバイジャンに勝利。 今回のベトナムはどこまで行くか注目です。

女子のほうは何と言っても注目はインド−インドネシアの1番ボード、 Harika−Skandarでしょう。日本の天敵カリスマ嬢も初めて目にしましたが、 試合はHarikaがうまく弱点を作り、そこをたたいて完勝でした。

背中にHikaru Nakamura

男子のほうに戻るとアメリカチームが到着。 ブルーのTシャツの背中に選手の名前が書いてあります。 モンゴルとの一戦はHikaruがGundavaaとの良く分からないゲームを制し、Shulmanの引き分けのみで 3.5Pとって快勝。流石に強い!

貫禄のクラムニック

他にもフィリピンのSo WesleyやらリトアニアのRozentalis、ウクライナの2将Eljanovを みていると、突然カメラをもった人たちがたくさん歩いてきます。 何事かと思っていると、その中心にいたのはロシア1、Vladimir Kramnikです。 まず背がでかい!貫禄充分です。チェスのほうは言わずもがなでした。

直後にはブルガリアのボードでTopalovを発見。Cheparinovと何か喋っていました。 対戦相手はc3シシリアンの王国(?)クロアチア。ゲームが終わり上位ボードをチェックしてきた小島が
「Georgievがやらかしたー」
なんとブルガリアがまさかの敗北です。

Hikaru Nakamura:人種は日本人。米国で1番の選手。よく来日していた。
Vladimir Kramnik:クラムニックはカスパロフを破った。元世界王者で今でもトップ・クラス。
Topalov:もうすぐアナンドと世界一をかけてマッチを行う元世界王者。

強豪プレイヤーが周りに

部屋は2つあり、日本チームのいる大ホールに戻りますが、ここも強豪プレイヤーであふれかえっています。

ノルウェーのレーティング世界1、Carlsenはおばさんたちにたくさん写真を撮られていたので、僕もどさくさにまぎれて1枚。 日本のボードに戻ってきてよく周りを見渡すと、なんと隣はアルメニアとオランダ!

Aronianらのすぐそばです。

オランダチームはもう席についていて、メンバーを見ると、Van Wely、L'Ami、Giriと そうそうたる面子。ゲームはロシア4の2、3番ボードをしっかり負かして2.5−1.5でした。

少し歩くとSamのボード、その近くにいたSwedenも今回はGrandeliusが代表に入っていましたので、写真を撮ってみました。 Samは1Rに続きa6スラブで、慎重に勝ちきりました。ぜひ今回もGMノームを達成してほしいですね。

女子は下のボードでフランス、モンゴルが苦戦していたようです。

Aronian:アロニアンは世界4位か5位の大物アルメニア人。
Carlsen:レイティング世界1位、ノルウェーのカールセン。
Giri:ギリ・アニッシュ君は数年前に札幌にいた。当時9歳くらい。現在は超有名人。
   私が才能を見込んで、最初の定跡本を献呈したことなど、もう覚えていないのだろうか…。

コリ姉ちゃん強し

食堂で良くすれ違うペルー・チーム。彼らのゲームは通路沿いだったので、 少し見ていましたがDeysi Coriが難しい中盤をうまく勝ち切っていました。 なかなかああいう風にはさせないと思うのですが・・・カペルでの成績もかなり良かったので、 これからどんどん上がってきそうですね。

やはりミーシャは強い!

試合後の日本代表について。

試合が終わると、バスでホテルに帰ります。 2Rはガイドのアーニャも観戦に来ていたのですが、思わしい結果が出ませんでした。

ちなみにアーニャは18歳、ほとんど通訳になりたてで、かわいらしい女性です。 オープニングセレモニーの前には日本チームのみんなと写真撮影会みたいな感じのことをやっていました。
(もちろん僕と小島は蚊帳の外です^^;)

小島君、弘平、そこで嫁さん見つけようよ。
どこの国でもいいが、その娘さんのレイティング、2100くらいはほしい…。

ホテルではまず、Mishaと女子チームによるその日のゲームの検討。 2Rでは良い試合が多かったので、検討にも熱が入っていたようです。

男子は食事が終わると、Mishaの部屋で一人一人のゲームについて意見交換。 時にはかなり深いラインまで検討するので、一局にかなりの時間をかけます。 やはりMishaは強い!GMの考えというのは見ていて非常に参考になります。

全勝を狙いたい

・・・さて、今日の試合の対策は朝食後になるでしょう。

今日は相手がレーティング無しなので、小島がリザーバーです。 一人レーティング2100台がいます。僕か龍二さんにヒットですが、 いずれにせよ気を引き締めて準備し、全勝を狙いたいと思います。

3Rボードペアリング

10:08
ボードペアリング発表。キーパーソンは僕になってしまったようです。頑張ります。

がんばれ日本チーム!
ここが、まちがいなく最初の正念場だ。
これを読まれている方々も、応援をよろしくお願いします。

日本、うれしい初勝利

23:14 2010/09/23
まずは速報を。

以下に示すように、日本男子チームがマラウィーに初勝利しました。 また、南條さん、中村さん、塩見さん、中川さん、前田さん、若林さんは、 しっかりと1ポイント、あるいは0.5ポイントを取りました。

負けた弘平も白の猛攻をかわし切り、ドローは決定の平凡な局面だったと 思ったのですが…。おそらく幻の勝ち筋が見えたか、持ち時間切迫か、 ちょっと分かりません。

女子チームは悔しいでしょうし、男子も狙っていた4タテではありませんが、 歯車は良いほうに回りだしたことは明らかでしょう。また、ポイントを 失ったプレイヤーは全然気にしなくて大丈夫。今回の男子のように誰か負けても 他がカバーできればOKなのがチーム戦ですから、引きずってはだめ。 がっかりしていては、チームのためになりません!

いやあ、少しひやひやでしたが、お見事でした!
とにかく、ほっとしました。以下は、その結果です。
(公式サイトが正しければ…という仮定をもとにした記事です)


[ 3 Round]

Bo.68 Seed101 Japan (JPN) - Seed141 Malawi (MAW) [3 : 1]
68.1 CM Nanjo Ryosuke 2257 - Banda Francis Msume 0 1 - 0
68.2 Yamada Kohei 2071 - Chipanga Chiletso 2138 0 - 1
68.3 Nakamura Ryuji 2187 - Nyambalo Joseph Xavier 0 1 - 0
68.4 Shiomi Ryo 2105 - Mfune Petros 0 1 - 0

Bo.50 Seed98 Japan (JPN) - Seed114 Uganda (UGA) [1.5:2.5]
50.1 WCM Nakagawa Emiko 1806 - Amoko Ivy Claire 0 1/2 - 1/2
50.2 Maeda Haruno 0 - Kigeni Grace 0 1/2 - 1/2
50.3 Wakabayashi Hisako 1493 - Butindo Joanitah Justine 0 1/2 - 1/2
50.4 Kikuchi Arisa 0 - Nsubuga Nansove Rita 0 0 - 1


写真:スターたち

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オランダ、左アニッシュ君
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手前スペイン、向こうフィリピン
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イングランド・チーム
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ウラジミール・クラムニック!
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チェス界のトップ・スター!!
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日本チームのコーチ、ミーシャ
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ウズベキスタン・チーム
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スウェーデンのグランデリウス


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2R結果

写真:2ラウンド

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Watch out the variation!
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And what to do next?
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Time to go to the arena
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Japanese Open Team and...
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Our Women Team.
Pictures by Yamada, Kohei
Comments by Kamiyakumo

 


やはりオリンピアード

20:55
やはりオリンピアードでポイントを取るというのは難しいものです。 男子はドミニカにしっかり負かされ、 女子も菊地さんが惜しいところまで行きましたが、全敗でした。

男子は南條、塩見さんがプレパレーションを外されました。

通路からは小島、南條のゲームしか見えませんでしたが、 南條は黒からのd5ブレイクを止めるために形を崩したため、 あっさりc4ポーンが落ちて苦戦。

小島は経験のある形で、ノータイムで難解な中盤戦に突入。 互角かと思って見ていると、突然小島から局面を打開しに行くものの、 少し勘違い(?)があったようでクイーンサイドが受けなしに。 くびをひねりながら、女子の試合を見に行って戻ってくると、 相手のブランダーによりなぜかドロー。 しかし、結局2番4番ボードを負かされて1−3負けでした。

小島さん、中村さんが着実にポイントを分けたことは さすがだし、次につながる結果だと書き添えたい。

勝ちの直前だった

女子も中川さん、前田さんが非常にいいゲームを指していましたが、 前田さんが時間切迫で負け。中川さんも惜しいところを間違えて負け。 4番ボードの菊地さんが2ルークアップとなり、日本チーム初の勝利かと思ったのですが・・・ なんと時間が切れてしまいました。

非常に良い内容で勝ちの直前だっただけに悔しい一敗ですが、次は勝てるでしょう。 明日はどちらも4−0勝ちをめざしてがんばります。

[ 2 Round]

Bo.41 Seed87 Dominican Republic (DOM) - Seed101 Japan (JPN) [3 : 1]
41.1 IM Munoz Lisandro 2391 - FM Kojima Shinya 2334 1/2 - 1/2
41.2 FM Fernandez Francis 2313 - CM Nanjo Ryosuke 2257 1 - 0
41.3 Infante Miguel 2276 - Nakamura Ryuji 2187 1/2 - 1/2
41.4 Mazara Adan 2262 - Shiomi Ryo 2105 1 - 0

Bo.43 Seed90 Algeria (ALG) - Seed98 Japan (JPN) [4 : 0]
43.1 WFM Latreche Sabrina 1951 - WCM Nakagawa Emiko 1806 1 - 0
43.2 WCM Hamza Amira 1886 - Maeda Haruno 0 1 - 0
43.3 WCM Latreche Khadidja 1815 - Wakabayashi Hisako 1493 1 - 0
43.4 Benaissa Imene 0 - Kikuchi Arisa 0 1 - 0


写真:1ラウンド

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歩く人たち
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この有名選手を当てよう
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ホテルで本を読む
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窓の外を見る
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みんなでやる
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一人であおぐ
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みんなで食べて
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次に備えよう


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1R結果&2R

快情報?怪情報?

公式サイトのライブで、日本がアルゼンチンに2−2のドローと出ました。
目をこすって何回見てもまちがいありません。
やったー!!

しかし、…。ただの掲載ミスだったのです。うーん、…。 少しの間、いい夢を見せてもらいました。

完敗、しかし悪くないゲーム

19:55
男子はアルゼンチンに完敗でした。 女子も中川さんが頑張りましたが0−4のスタートです。 小島、山田、龍二さんは悪くないゲームでしたが、力の差が出てしまいました。 南條も序盤でつぶれてから、時間を目いっぱい使って反撃しましたが、 一歩及ばずでした。

上位と下位が当たったこともあり、余り面白い当たりもありませんでした。 Smeetsが日本の隣で負けていたこと、アルメニアが2ドローと苦戦、 とそんな感じでしょうか。

本日のビッグニュースは何と言ってもSamでしょう。 1番テーブル1番ボードでGrishukと堂々と渡り合いました。 結果はまだ分かりませんが、ちゃんと指せばドローはあると思います。 (ドローでした!)

あわてて確認

9/22 10:07
また日本チームにとって重要な局面を迎えました。
チームは前日にChessresultsで結果を確認し、 次のドミニカチームの選手が4人だけであると思っていました。 そこで夜に棋譜を確認し、3番ボードをみて僕がリザーバーになることになりました。 もちろん選手はそのあと個々人でプレパレーション したのですが・・・。

今朝になって塩見さん、龍二さんがエレベーターでドミニカチームに遭遇。 なんと5人目の選手を発見し、あわててオフィシャルページで確認すると、 もう一人選手がいることがわかりました。 ですが、まだ試合開始まで時間があるので、これからMishaとしっかりプレパレーションが できると思います。

僕は今日はオフなので、チームのサポート&レポートに徹したいと思います。

アイルランドはパプアニューギニア。 昨日の引き分けで好調のSamなら楽勝でしょう。 上位ボードではウクライナ−スコットランド、モンゴル−アメリカ、 あたりが面白い組み合わせでしょうか。 今日は実力が近いチームが当たるので、いろいろアップセットがありそうです。 (もっとも昨日はGM Can Emreが1736のプレイヤーに負ける珍事がありましたが)

方針は定まった

12:13
ボードペアリングが発表されてから、塩見さん、南條、龍二さんがMishaの 部屋でプレパレーションに入りました。小島も自室でプレパレーションを終え、 大体今日の方針は定まったようです。

当たりは

Dominican Republic(87) - Japan(100)
IM Munoz Lisandro 2391 - FM Kojima Shinya 2334
FM Fernandez Francis 2313 - CM Nanjo Ryosuke 2257
Infante Miguel 2276 - Nakamura Ryuji 2187
Mazara Adan 2262 - Shiomi Ryo 2105

Algeria w (90) - Japan w (97)
WFM Latreche Sabrina 1951 - WCM Nakagawa Emiko 1806
WCM Hamza Amira 1886 - Maeda Haruno 0
WCM Latreche Khadidja 1815 - Wakabayashi Hisako 1493
Benaissa Imene 0 - Kikuchi Arisa 0

となっています。

男子はドミニカ、女子はアルジェリア

どちらも今日勝って波に乗りたいところです。

「プレパレーション」:対戦相手、定跡の研究のこと

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開会式

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幻想的な人間チェス
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大会の様子


人間チェス

9/21 0:27
オープニングセレモニーから帰ってきました。 ペアリングはまだ出ていないようですが、キャプテンミーティングで 完全スイスといわれたので、リスト順から上ではないかと予想しています。

オープニングセレモニーは屋内テニスコートで行われました。 レーザーとCGを駆使した幻想的な雰囲気から、ロシアの歴史に見立てたダンスになり、 見たいと思っていた人間チェスも見ることができました。 ちなみにゲームはアンデルセンの名局でした。 (chessdomのLiveで見れるかも知れません。黒のクイーンが大変そうでした)

アニッシュに再開

またセレモニーで日本チームの後ろに陣取っていたのは、オランダでした! Anishとの再会を果たすこともできて(残念ながら向こうは覚えていなかったようですが)、 良かったです。

セレモニーの後はSamが飲みに行かないかと誘ってきましたが、 さすがに疲れていたので断りました(笑)。 大会中に一回は一緒に飲みたいとは思いますが・・・ アイルランドの1番ボードは大丈夫なんでしょうか?

ちなみにホテルはそこそこ大きい建物です。 ただ、大会前に話題になったように急ピッチで作ったホテルなので、 なかなか斬新な構造になっています。 特にエレベーターに乗るときのスリルはなかなかのものです。 僕と小島は一階に降りようとして閉じ込められました。 その後なぜか2階では開いたので助かりましたが、先が思いやられます。

いよいよ初戦

さて、日本男子チームのボードですが、昨日の話し合いで

1. FM 小島慎也
2. 南條遼介
3. 山田弘平
4. 中村龍二
5. 塩見 亮

というように決まりました。3〜5をどうしようかという話になりましたが、 しっかりしたチェスが見込める龍二さんを4番ボードにおき、確実に取りに 行く作戦を選択。 機能するかどうかは3番ボード次第という説もありますが、どうなるでしょうか。 1Rのペアリングが楽しみです。

9/21朝
ペアリングは男子がアルゼンチン、女子がイングランドと どちらも上と当たりました。 アルゼンチンはすべてGM、イングランドもJovanka Houskaを筆頭に 強いプレイヤーがそろったチームです。現在女子がMishaとプリパレーション。 男子は各自準備をしています。

男子はアルゼンチン、女子はイングランドと

11:35
Mishaとのプリパレーションがスタート。 まだボードペアリングは出ていません。 日本以外ではやはりRussia1 - Irelandが注目でしょう。 前日本チャンピオンSam Collinsが率いるアイルランドがドリームチームに挑みます。

11:50
ペアリング発表です。

[ 1 Round]

Bo.26 Seed101 Japan (JPN) - Seed26 Argentina (ARG) [0 : 4]
26.1 FM Kojima Shinya 2334 - GM Flores Diego 2615 0 - 1
26.2 CM Nanjo Ryosuke 2257 - GM Felgaer Ruben 2597 0 - 1
26.3 Yamada Kohei 2071 - GM Lafuente Pablo 2565 0 - 1
26.4 Nakamura Ryuji 2187 - GM Valerga Diego 2508 0 - 1

Bo.39 Seed39 England (ENG) - Seed98 Japan (JPN) [4 : 0]
39.1 WIM Lauterbach Ingrid 2169 - WCM Nakagawa Emiko 1806 1 - 0
39.2 WFM Grigoryan Meri 2099 - Maeda Haruno 0 1 - 0
39.3 Bhatia Kanwal K 2072 - Wakabayashi Hisako 1493 1 - 0
39.4 WFM Hegarty Sarah N 2084 - Kikuchi Arisa 0 1 - 0


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第一報!

特派員、兼選手(弘平)より第一報が入りましたのでお伝えします。

モスクワでチームがそろう

9/20 10:47

ホテルに無事到着です。 モスクワ経由でほぼ一日がかりの旅程でした。 菊地さん親子、Mishaともモスクワで合流。チーム全員がそろいました。

モスクワでは他国チームとともに、8時間ほどのチャーター便待ち。 最初に中国と遭遇。Wang Yue、Wang Haoら中国男子のトップや、 Hou Yifan、Zao Xueなどの女子チームも。やはり強豪だけあって スタッフ(荷物持ち?)も多いです。

また空港の手荷物検査場でチャンピオンアルメニアチームが現れました。 やはりAronianの風格はほかのプレーヤーとは段違い。 今年は地元ロシアが優勝候補筆頭ですが、どこまで行くでしょうか。

カペルの1Rで小島があたったGM Avergelはバルバドスのコーチとして参戦のようです。 他にも空港を歩き回っているだけでShirov、Bologan、Gundavaa、Coriら超強豪が・・・。 改めてチェス界最高峰の大会に来たことを実感します。

一路ハンティーマンシスクへ

会場となるハンティーマンシスクまではチャーター便→バスと移動。 現在ホテルに到着し、各々休息を取っているところです。 ホテルでは、Samに再開。 今年はアイルランドチームからBaburinが外れたので、彼の働きがチームの行方を左右するでしょう。 注目です。

チェックインを待っていると階段から下りてきたのはハンガリーNo.1のPeter Leko! 中国のLi Chaoと談笑していました。

小島「Li ChaoクラスになるとLekoから話しかけてもらえるらしい」

今日はこの後12:30から昼食。 その後、20:30からOpening Ceremonyとなるようです。

14:10
昼食後にネットのチェック。 昼食はバイキング。Gustafssonなども見かけました。 南條は疲労のためか(?)、自室で睡眠。 ネットはホテルロビーで使えます。部屋では有料になっていました。

ペアリングはおそらく夕方のキャプテンミーティング後になるでしょう。 1Rはどこと当たるのか楽しみです。

 By 弘平

>Editorial Comments
 Wang Yue、Wang Hao: ワンユエと、ワンハオは世界でも有名な中国のスタープレーヤー
 Hou Yifan、Zao Xue: ともに中国女子有名選手で、ホウイーファンと、ザオシュエ
 Gundavaa: グンダバー,バヤルサイカンはモンゴル最強の19歳プレーヤー
 Aronian: アロニアンは、レイティング世界4位の超大物アルメニア選手
 Shirov: シロフはロシア出身、今はスペインの強豪GM、書籍「盤上の炎」で有名
 Bologan: ボロガンは書籍を多く書いている有名選手、国籍はモルドバ
 Baburin: バブリンは来日して講義もしたアイルランドGMで、チェス・トゥデイの編集長
 Sam: コリンズ,サムは前年度の日本チャンピオンでもあるアイルランドのIM
 Peter Leko: ペーター・レコはご存知ハンガリー最強のプレーヤー
 Li Chao: リー,チャオ、中国の若手強豪

写真:初日の移動

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空港にて
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女子チームも
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モスクワの空港で食事
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これはアルメニア選手団?
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大学生3人衆
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この有名選手を当てよう
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到着した空港?
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バスからの風景?
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部屋の様子
少し休んでから開会式!
Pictures by 弘平

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 はっきり言って、ここの記事は忙しいときにあわてて作成したのでめちゃくちゃです。 きちんと整理したものは、 レポートの方にまとめました。 そちらをご覧ください。

チェス界最大のイベント始まる

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<大会ロゴマーク>
 いよいよチェス界最大のイベント、2年に1度のチェス・オリンピアードが始まります。

 小さなイベントではありません。144カ国が参加。チェス界のスターも一堂に会して、 およそ2週間のチーム戦です。大会への参加がチェス・プレーヤーの夢のひとつであることは まちがいないでしょう。

 今年はロシアのハンティ・マンシスクにて行われます。 日本のマスコミが伝えない日本代表選手男女9名の活躍を、 (特派員しだいですが)できるだけお伝えしていきたいと思っています。 特に今回は函館チェスサークル顧問の山田弘平がメンバーに入りました。 応援をよろしくお願いします。
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<大会会場全景>
 <トーナメント・プロフィール>

 大会名称:チェス・オリンピアード2010(第39回)
 開催場所:ハンティ・マンシスク(ロシア)
 開催期間:9月20日〜10月3日
 参加人数:男子159、女子119チーム、計1380名
 競技形式:1チーム4名、11ラウンド・スイス
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 <日本代表チーム>

  男子チーム:
 FM小島慎也2334・南條遼介・中村龍二2187・山田弘平2071
 ・塩見亮2105。
 平均レイティング2174、シード101位/149チーム

  女子チーム:
 中川笑子1806・前田春乃0・ 菊池有紗0 ・若林ヒサ子1493。
 平均レイティング1523、シード98位/115チーム

 以上、JCA、チェスドムのホームページより
 コーチ:Stojanovic Mihailo (セルビア出身のGM、写真)
     渡井美代子 (JCA代表代行、WFM)


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 新しく見学に来てくれた小学生の男子がいました。何も指導していませんが、強いです。 このまま入会してくれるとうれしいのですが、どうでしょうか。

 今回は公式戦を下のように行いました。棋譜をとってのゲームが本当のチェスです。 大変でしょうが、慣れてほしいと思います。

公式戦結果 2010.09.12
ボード 白番 結果 黒番
高橋 栄三 0-1 金城 琉菜
金城 康弘 0-1 田中 春行
渋谷 快成 0-1 山田 明弘
高橋 栄三 0-1 金城 康弘
山田 明弘 1-0 田中 春行
金城 康弘 1-0 高橋 栄三


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2Rd結果

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2期2ラウンド 2010.09.10
ボード 白 番 結果 黒 番
01松浦 勇希(06)0-1田中 春行(02)
02今野  周(03)1-0佐藤  翼(04)
03山田 明弘(01)1/2齋藤  詢(10)
04金城 琉菜(05)1-0長内 亮太(08)
05佐々木 翼(07)0-1玉利 真人(09)
06金城 康弘(15)1-0笹森 絢香(11)
07金城 透弥(13)1-0笹森 雄大(14)
08山上 晃輔(18)0-1玉利 克夫(16)
09渋谷 快成(12)0-1津 大弥(17)
10中貝 勇作(22)0-1山上 未咲(19)
11中貝 省吾(20)1-0津 大洋(21)
00中川  啓(23)1/2BYE

                    注:( )内数値はシード順

公式戦結果 2010.09.10
ボード 白番 結果 黒番
金城 透弥 1-0 中川  啓
玉利 真人 0-1 金城 康弘


2ラウンド講評

 加速式なので、すでに上位が準決勝クラスのペアリングでした。 その中、落ち着いた雰囲気でゲームができていたと思います。子どもたちが何かに集中している姿は 見ていて気持ちがいいものです。

 1ボード、田中君は順当に松浦君を押し切りましたが、松浦君はミスの少ない粘りあるゲームでした。 2ボードは今野君得意のツー・ナイトのフライド・リバー・アタック定跡により、 白が序盤で決めてしまいました。ツー・ナイトは黒としてしっかり準備が必要です。

 3ボードは先生のかんちがいからドロー提案しました。QGAの古典定跡をよく知らずに 齋藤君はドローに値する指し方で応じました。(最終局面はむしろ黒優勢!)

 ギャラリーが集まり、見ごたえあったのは琉菜ちゃんと長内君の大熱戦でした。 何度も形勢が微妙に入れ替わりながらドロー気味のエンディングになり、これはドローか と思った瞬間、長内君にくやしいポカが出て琉菜ちゃんが大きな星を取りました。

 笹森さんたちと佐々木さんは欠席により不戦敗です。

 最後のボードながら、レベルが高かったのは、省吾君のゲーム。序盤は教えられた通り、きちんと 駒組みをして、黒キングに殺到し、最後はきれいなナイト・サクリファイス。 これには本当に驚きました。普通の小学4年生には簡単にできない技です!

 将来チェスのプロになるという作文でクラス1になったという中貝省吾君。 その階段を1歩上りました。 中貝兄弟に共通の良い点は棋譜がとてもていねいで きれいなことです。他のプレーヤーも見本にしてほしいと思います。

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2ラウンド・次の1手

 右をかくし、問題として考えてみてください。初級者にはいい力試しです。

黒番
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 <黒番46手目:金城琉菜vs長内亮太>

 黒は理論どおりの好手。46.…Rb5!
 「ルークはパス・ポーンのうしろに回せ」。確実にドローだ。しかし、事件が起こる。 47.Kf3 a5 48.Ra7 Kf8?? 49.b7! 1−0
 黒番、長内君の実力なら48.…Rxb6でドローはすぐ分かるはずなのに…。
「負けると思った」琉菜ちゃん、「かなりくやしい」長内君、エンディングで勝負が決まる レベルになった両者に拍手を贈りたい。
白番
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 <白番18手目:中貝省吾vs津大洋>

 白番黒番ともりっぱな布陣。黒は白の攻めを17.…g6と受けたところ。
 18.Nxg6!(かっこいいナイト・サクリファイス)
 「全部読めなかったけど、いけると思った。」省吾君に、キングを守る 黒ポーンの壁がくずされた。野球で言えば走者一掃のタイムリーに値する一手だ。
 それにしても、下位ボードでこんなに高いレベル??
黒番(白キャスリング不能)
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 <黒番28手目:中貝勇作vs山上未咲>

 他にも勝つ手段はあるが、最短距離で決めてほしい場面。28.…Qh8!
 以下、29.Nb4 Rg2!(ねらいはキングだけ) 30.Nc2 Qh1#で終了。
 オープンしたhファイルに目をつけ、芝刈りメイトを応用した見事な指しまわし。 決めたのは期待の小学生女子プレーヤー山上未咲だ。


ニュース2010年9月
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